「まどにうつす」プロジェクト-湿板写真で場所と人を結ぶ
- akatsuki-shabou

- 11月22日
- 読了時間: 3分
こんにちは、あかつき写房の本田です。今日は2022年の秋に取り組んだプロジェクトについてのお話をしたいと思います。ある公民館が解体されることになりました。
町内会長さんに話を持っていき、その最後の姿を湿板写真で写す機会をもらいました。まずは撮影に使うガラスを調達するために、公民館の窓ガラスを枠ごと一枚もらい、、、と実は私の住んでる町内のお話です。なので少しエモーショナルな感じになっているところもありますがどうぞ最後までお付き合いください!

解体前の公民館の窓から撮影
80年の時間を見つめる建物
その公民館は築80年ほど。戦後から続く地域の日常を支えてきた建物でした。移住して6年。私自身が知っているこの場所の歴史はほんの一部に過ぎません。それでも、その最後の瞬間にもう少し深く関わりたいと思いました。私にできる“関わる方法”──それは写真に収めること。解体前の空間をその空気を確かめるように、フィルムカメラで静かにシャッターを切りました。
公民館の様子をフィルムで撮影
公民館の“最後の集合写真”を湿板写真で
そしてもうひとつ、どうしてもやっておきたかったこと。この建物と関わってきた町民の集合写真を撮ること。しかも湿板写真で。湿板写真はガラスに像を定着させて写真を作りますが、そのガラスは解体後に廃棄される予定だった窓ガラスを使用しました。建物そのものに、その建物と人の記憶を写し込む──
そんなささやかな願いを込めて。

使用したまどガラス
地域を歩き、声をかける
企画は回覧板とビラで告知し、前日には一軒一軒インターホンを押してお願いしました。
来てくれるだろうかという不安のまま迎えた当日。快晴の空の下、少しずつ人が集まってきます。知っている人、初めて会う人。気がつくと予想以上の人数に。ひな壇を急いで増設。年配の方から移住者、子どもたちまで、地域の小さな歴史が一つの場所に集まった瞬間でした。

一発勝負の4秒
4秒の露光で撮りましたが、テスト時よりも太陽光が増えていることを見落としてしまい、全体的に露出オーバーに。フォルダー装填時にわずかにカメラがズレたこともあり、端が少し欠けました。フォトグラファーとしてはやり直したかったですが、これもまた歴史の一つということで、撮り直しはせずに集合写真の撮影は一枚のみにしました。

撮影に使用した四つ切りカメラ
現像を見守る人々
現像は公民館の中で、みんなに見守られながら行いました。ガラスの上に像が浮かび上がると、子どもも年配の方も同じように歓声をあげてくれました。年齢や背景を越えて、同じ光景に心を動かしてくれるということ。湿板写真には、そんな特別な力があると改めて感じました。その後、建物や周りの景色の写真を複数枚撮影し、記録は完了しました。
湿板写真がつなぐ、地域の人と時間
撮影した集合写真は、窓ガラスの枠をリメイクして作った額に入れ、新しい公民館に展示されることになりました。
今回の経験は、「湿板写真が地域の記憶をとどめ、人と時間をつなげていく」ということを深く実感する機会になりました。建物の記録、地域の集合写真、風景の保存──湿板写真の“その場で作る一枚性”は、地域の文脈を活かしたプロジェクトととても相性が良い技法です。

シリーズの作品タイトルを「まどにうつす」としました
湿板写真による地域記録プロジェクト、承ります
あかつき写房では今回のように、古い建物の記録撮影地域の集合写真(湿板写真)地域の歴史や文化を写真として残す企画など、湿板写真の技法で地域に寄り添ったプロジェクトをお受けしています。地域の歩みが次へ受け継がれるような“かたち”を、湿板写真で残したい方は、お気軽にご相談ください!
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