こんにちは、あかつき写房の本田です。湿板写真に関するブログを書いています。今日は日本語で「湿板写真」といっても、実はその中にも種類があるんですよというお話です。聞きなれない言葉が出てくると思いますが、どうぞお付き合いください!
私たちが日本語で「湿板写真」と言ったときには、、、
ガラス板に薄いネガ像が張りついていて、背景に黒を敷くとポジティブ像に見えて、ガラスをそのまま写真として鑑賞することができるもの
を指しているのですが、厳密に言うとちょっと違っていて、湿板写真の中にバリエーションがあるのです。
正確にいうと上記のタイプ(ガラスに撮影して黒を敷いて鑑賞するもの)を湿板写真の中でも「アンブロタイプ」と言います。
日本では、アンブロタイプが主流だったのですが、当時ヨーロッパやアメリカで流行ったのは「ティンタイプ」と言われるものでした。この写真はガラスではなく黒いブリキ板やアルミ板を使用します。違いはそれだけでプロセスはアンブロタイプと全く同じです。ガラスよりも軽量で割れない、そして初めから黒いのでそのまま鑑賞できるというメリットがあります。デメリットとしては得られる像が反転像(鏡像)になりますが、それを気にしなければ、写真(像)としては同じような結果を得ることができます。
その他にも、アンブロタイプと同じようにガラスに撮影するのものですが、鶏卵紙にプリントするネガを作るためにも湿板写真が用いられました。実はあの有名な坂本龍馬の写真は、ネガとして撮影されたものであることが現代の研究によってわかっています。
アンプロタイプもティンタイプもネガ版も日本語にすると全て「湿板写真」となってしまうので、ちょっとややこしいお話でした。
※写真はアンブロタイプです
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