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湿板カメラと乾板カメラ

こんにちは、あかつき写房の本田です。今日はカメラのお話です。

湿板写真も乾板写真もガラスの板を使って撮影しますので、構造的に同じカメラで撮影することができるんです。私たちも自社開発のnew moonシリーズだけでなく、古典カメラと言われる木製の大きなカメラを所有しています。このカメラ、実は乾板写真用のもので、湿板写真用のものではないのです。その理由などを、湿板写真のプロセスを絡めて解説してみますね。それではどうぞ。


冒頭でもお話ししましたが、今、湿板写真を撮影している人の多くは、乾板写真のカメラを改造して使っているパターンが最も多いです。

※乾板写真とはガラス板にゼラチンを使った感光剤を塗布して乾かしたものです。現代の撮影用フィルムをガラス板にしたようなもので、様々なメーカーのものが市販されていました。

乾板用のカメラで湿板写真を撮影する場合に、注意しなければならないのはカメラ(ホルダー)を薬品から守ることです。木と金属で作れたホルダーに薬品がついてしまいますと、その部分から腐食して劣化して、すぐに使えなくなってしまします。



湿板カメラと乾板カメラは基本構造が同じにも関わらず、乾板カメラは現存していて、湿板カメラはほとんど残っていない理由はここにあります。当時、直接薬品がついたものはいたんでしまって、既に廃棄されてしまっているのです。なので状態の良い当時の湿板写真カメラは超レアものなんです。



乾板写真のカメラはオークションなどで買うことができますが、状態の良いものはどんどん少なくなってきています。またメンテナンスできる人もいないので、自力で修理して使うことになります。



といっても、そのまま使ってしまうと、薬品に侵されてすぐにダメになってしまうので、乾板写真用カメラを使うときは、ホルダーに工夫をしています。

ホルダーに入るアクリル板を用意して、そのアクリル板をくり抜いて、そこにガラスが入るようにするのです。そうすることで、ガラスが直接ホルダーに触れることを防ぐことができます。この方法をとると撮影できるサイズは一回り小さくなってしまいますが、そのおかげで良いこともあります。

元のガラスサイズよりも小さいサイズであれば、どんな比率の写真でも作ることが可能になるのです。ガラスも自由にカットすることができるので、パノラマや正方形など好きなイメージの写真を作ることができます。



さて、いかがでしたでしょうか?大きなカメラに馴染みのない人にはイメージしにくい話だったかもせんが、2024年の湿板写真のカメラ事情はこんな感じです。ちなみにnew moonシリーズはオールプラスチック&紙テープでできているので、丸洗いしてテープを変えれば薬品による劣化がないように作られています📸




 

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